2020-07-01 梅雨の東京、夏の東京 詩 湿度が100%なら泳いで都心へ行く。 ビルは海の底に生えているサンゴなので、動かないけれど生きている。 油断してゆらゆらと漂っていると、ビルが触手を伸ばしてきて私たちは捕まってしまう。 何が東京だ。何がビルだ。オニヒトデに喰われてしまえ。 夏はすぐに来て、日差しは容赦なく、ビルの間に干からびた巨大なオニヒトデがいくつも挟まっている。 そのさらに隙間を縫って私たちは歩いていく。 確かに異様な光景だけれど、私たちは3日で慣れた。 熱中症に注意。熱中症に注意。熱中症に注意。